世界のビジネスのやり方を変え続けた30年

2015/05/08

1985年1月8日、第1回のBNIミーティングが開催されました。カリフォルニア州ロサンゼルスから30キロほどの場所にある、小さなコーヒーショップにおよそ20人が集まりました(このチャプターは今でもこの地域で運営されており、創立メンバーのうち2人は今でも現役です)。最初のミーティングに集まった20人余りのうち、自分たちがどんなにすごいことを始めようとしているのか、それに気づいていた人はいなかったと思います。
私自身、それに気づいたのは1年後のことでした。年末年始の時期に1年を振り返り、年間で20チャプターを発足させたことに驚きを覚えました。そのときになって、自分がビジネス界に強い感銘を与えたことに気づいたのです。当時、世界中どこの大学を探してもビジネスネットワーキングについて教えているところはありませんでした。その一方で、事業者たちはリファーラルを渇望していたのです。1985年当時、継続的にリファーラルを生み出す効果的な方法は無かったわけです。そこで私は計画を立て初め、それが今日のBNIという組織へと発展していったのです。
2015年1月時点で、BNIは世界60か国に7,000を超えるチャプターを有しています。1985年にBNIが創立されて以来、7,000万件のリファーラルが交わされ、世界中のBNIメンバーのために400億ドル(日本円で約4兆円超)に相当するビジネスが生み出されてきました。
最近あるディレクターから、この成長の秘訣を尋ねられました。その質問に答えるべく、私はBNIの成功に寄与したと考えられる、鍵となる要素を書き出してみました。これらの要素は通常ビジネス本には書いていませんし、大学院で教わったわけでもありません。しかし、これらはBNIの成功にとって不可欠であり、あなたにとってもきっと関係があることです。

BNIの成長過程で学んだこと:

  1. 目標を設定する
  2. 「目標設定」というのは誰もが推奨することです。それは分かっていますが、私は少し違った意味で使っています。私がお勧めするのは、3つのレベルの目標を設定することです。そうすることで、この先自分がどこに向かいたいのか、柔軟に考えることができるようになります。

    • ハイレベル:背伸びした目標を立てます。ハードルは非常に高いですが、決して不可能ではない目標のことです。
    • ターゲットレベル:これは自分が達成できる自信がある目標です。簡単というわけではないかもしれませんが、必ず達成することができるような目標です。
    • ローレベル:仮にさまざまな事柄がうまくいかなかったとしても、達成できそうな目標のことです。

  3. 目標から逆算する
  4. 上の各レベルの目標について、まず自分が今から12か月間で達成したいことを考えます。それを100%とします。そこから逆算していきます。9か月目には75%を達成している必要があります。6か月目では50%です。そして、3か月目では25%ということになります。毎月自分の進捗を確認しましょう。こうして着実に目標達成を目指します。

  5. たくさんのことを少しやるのではなく、少しのことをたくさんやる
  6. 事業者が犯しがちな間違いは、きらびやかなアイディアに次から次と飛びついてしまうことです。私は、成功のためには、まるで「骨を加えた犬」のように粘り強くなることが大切だと思っています。私は、効果があると分かったことを、何回も、何回も、何回も、実行しました。少しのことをたくさんやるのです。

  7. より大きなビジョンをつくる
  8. より大きなビジョンをつくるのに早すぎることも、遅すぎることもありません。あなた自身、従業員、そして顧客さえも統合することができるようなビジョンです。皆から共感を得られるものにし、企業の長期的なビジョンにしましょう。BNIにおいては、それはギバーズ・ゲインの理念でした。これはBNIの組織全体に浸透した理念であり、ずっと私たちのリファーラル・マーケティング・プログラムをけん引してきました。それは、「世界のビジネスのやり方を変える」という私たちのビジョンにつながっています。このビジョンが示しているのは、事業者同士がギバーズ・ゲインの理念を通じて協力し合うことです。

  9. 関わり続ける
  10. 会社が大きくなるにつれ、ビジネスのあらゆる側面に直接関わり続けることは難しくなります。つまり、どの部分に関わるかを取捨選択しなければなりません。とはいえ、可能なかぎり関わりを続けるようにしましょう。テクノロジーは、私がメンバーやディレクターと関わり続けること(直接の訪問、ビデオメッセージ、ニュースレター、ブログ、ポッドキャスト、ソーシャルメディア、BNIコネクトなどもその一例です)を可能にしてくれました。関わり続けること、これは何事にも代えがたいものです。関わりを続ければ、それだけビジョンは活気を帯びてくるはずです。

  11. 知識よりも態度が大切
  12. この30年で学んだことの一つに次のことがあります。それは、ネットワーキングを含めてですが、物事のやり方(how)は教えることができても、「良い態度」を教えることはできないということです(かといって、まさか親の元に送り返すわけにもいきません)。もちろん、態度だけでなく、知識もあるに越したことはありません。したがって、やる気のある人に、成功のための方法を教えることができれば、まさに無敵というものです。

  13. 好きな仕事をしましょう。そうすれば仕事を好きになります。
  14. ビジネスパーソンには2タイプの人がいます。ロウソクの炎の中で働く人と、溶けたロウの中で働く人です。炎の中で働く人はやる気に満ちています。興奮とエネルギーにあふれています。一方、溶けたロウの中で働く人はすっかり疲労困憊(こんぱい)しています。会社が成長するにつれ、どうしても溶けたロウの中で働く状態に陥りがちです。自分にとっての「炎」を見つけましょう。なるべく、炎の中で仕事をするようにしてください。同時に、あなたにとっては溶けたロウのように見えても、そこに炎を見いだす人もいます。あなたが熱意を持てなくなった仕事は、その人に譲りましょう。そうすれば、あなたは自分にとっての炎の中で働くための自由を確保できるからです。

BNIメンバーはチャプターに「加入」するのではなく、「コミット」する

私はBNIを通じて人々の人生を変えたいと思いました。そして気づいたことは、BNIやBNIが可能にした全く新しいビジネスのやり方に出会った人々にとって、彼らが経験する最大の変化とは、彼らの態度に表れるということです。
彼らはBNIにただ加入するだけではありません。BNIの一員となるのです。それは投資です。そして、コミットメントです。
確かにBNIは重要ですが、それ自体が絶対的な重要性を持っているわけではありません。BNIが何を提供するかは重要な問題ですが、これから先、より重要になるのは、実際のところチャプターやメンバーに何がもたらされるかです。
BNIはただミーティングを提供するのではありません。BNIはミーティングを通じて、ビジネスの機会を交換する体験をメンバーにもたらしているのです。
組織というのは、目的を明確にし、コラボレーションを通じて努力を結集し、規律ある運営を行えば、景気の状態や競合他社の存在、世の中のトレンドに関わらず、マーケットをリードすることができるのです。これこそ、BNIが数十年にもわたって競合他社を抑えて業界で支配的な地位を占めてきた理由です。
これまで活動してきた企業が今後も活動を続けるのに不可欠なのは、その構成員が一丸となって、地平線のかなたにある一つの目標に向け、企業をけん引していくことです。BNIは、共通のビジョンに基づく類まれなコラボレーション、目標への集中、そして頂点を目指そうというコミットメントに支えられ、30年にもわたり業界をリードする存在として切磋琢磨を続けてきました。そして、これからもそうであり続けるでしょう。
皆さんとこの挑戦を共にできることをうれしく思います。そして、皆さんの更なる成功をお祈りします。そして、一緒に世界のビジネスのやり方を変えましょう。
こちらは、私が思いがけずBNIを始めることとなった経緯や、30年間で学んだことを紹介する動画です。併せてご覧ください。