断られることへの恐怖 ~粘り強さが成功を支える~

2012/05/18

1994年、私は『The World’s Best Known Marketing Secret』の初版を書き終えました。私は本を店頭に並べてもうため、書店に足を運んでは、宣伝を行っていました。当時、宣伝方法の一つとして、車で書店に乗り付けてサインをする ということをしていました。
その頃ですが、地元でまだ私の本を置いていない書店があるという話を友人から聞きました。ある日、ちょうどその書店の前を通って帰ることになり、この機会に立ち寄ることにしました。ところが、どうしても車の座席から腰を上げる気になれなかったのです。まるで「断られることへの恐怖」で体が麻痺してしまったかのようで、私は店に入ることができずにいました。
書店にお願いしたいことはシンプルでした。「私の本を店頭に並べてもらえませんか?」。ところが、臆病風に吹かれてしまったのです。もし断られたら?もし、「ご足労いただきありがとうございます。でも店頭に並べるのは無理です」なんて言われたら?
大きな書店ではなかったため、無名の著者が書いた本まで置く気があるか、定かではありませんでした。私は座席に座ったまま、なかなか書店の入り口に向かう勇気が出ませんでした。車のエンジンを掛け直して、そのまま走り去る寸前でした。
本当に危ないところでした。でも、私は次のように考えました。「いいか、ここでやらなかったらどうなる?今あの店に入らないと、絶対に何も変わらない。この先も私の本は無いままだ。今あの店に入って頼んでみたらどうなるか。確かに本を置きたくないと言われる可能性はある。でも、それは現状維持ということだ…」
そして、私は考えました。「もし中に入って頼んだ結果、本を置いてくれると言ってもらえたら?」。このとき、私はひらめきました。唯一ポジティブな結果につながる可能性が高いのは、中に入ることだけだということに気付いたのです。
何もしなければ、今あるのと同じ状態が続くだけです。それでは意味がありません。私は車の座席で文字どおり自分に言い聞かせました。「ゴチャゴチャ言わずに、あの店に入るんだ。10分で終わる話だ。誰も傷つかない。怪我して入院なんてこともない。大したことじゃない。ただ、「NO」と言われる可能性があるだけじゃないか」。
そこで私は店の中に入りました。本を一部持って行き、次のように言いました。「私はこの本の著者なんですが、こちらの書店の別のチェーン店では、この本を置いていただいています。私は地元に住んでいるのですが、もしよろしければ、1、2冊、いや3、4冊くらい置いていただけないかと思いまして。もしそうしていただけるなら、本が届き次第、喜んで本にサインを書きに来ます」
するとこういう返事が返ってきました。「そうなんですか!それは素晴らしい。地元の作家さんですね!20冊置かせてください。サインをしに来ていただいてもいいですか?」
「もちろん。喜んで、サインに来ます!」
こうして、彼らは20部注文してくれました。そして、私は2週間後に再び書店を訪れ、20部全部にサインをしました。今思えば、私にとってあの経験は、「断られる」ということに関する「試練」 だったように思います。私には、何かをする選択肢と、しない選択肢がありました。しないことにした場合、私はそれまでと変わらない状況に置かれます。つまり、あの書店に私の本が無い状況です。

リスクを冒すことなくして、成功を得ることはできません。

私がいつも次のように言うのはそのためです。「断られることを心配して、期待感を失ってはいけない。自分のビジネスに期待を持っているなら、断られることを恐れて躊躇してはいけない。誰かに何かを頼む際は、これを肝に銘じておく必要がある。引き受けてくれる人もいれば、断る人もいる。それがどうだというのか。この世の終わりではないわけだし」

私に必要だったのは、そういう心構えです。自分が直面していることは大したことではないと信じるのです。

今では、断られる可能性があるような状況に直面したら、いつでもそう考えるようにしています。自分に次のように言い聞かせています。

「頼みを聞いてくれなかったとしても、それはそれで仕方がない。別にいいじゃないか。大したことじゃない 」

私の良き友人であるマーク・ゴールストン博士(Dr.Mark Goulston)はよくこう言っています。「私たちにとって、勝つか負けるかをコントロールすることは、挑戦するかしなかをコントロールするよりもずっと難しい。常に挑戦すること。そうすれば、最後には勝てる。挑戦しなければ、決して勝つことはできない」。
実際にあきらめたら、いや、あきらめようと思うだけで、ゲームオーバーなのです。一つ言わせてください。私は自分のことを、周囲の人の中で最も成功しているとか、最も賢いとか言う自信はありません。でも、最も粘り強い人間だと言う自信はあります。挑戦し続けるというコミットメントが、私の成功を支えてきました。誰にとっても、このコミットメントが長期的な成功の手助けになるはずです。昔から「できると思ったらできる。できないと思ったらできない」と言いますが、それがすべての原点なのです。