ネットワーキングイベントを通じてビジネスを活性化するための3つの法則

2010/10/05

リファーラルネットワーキングについてあまり知らないビジネスマンの中には、ネットワーキングが営業活動の単なる手段であること、つまり、最終的なゴールではないことを忘れてしまっている人がいます。週に3、4回、さらには5回イベントに参加し、顧客獲得にやっきになっています。
しかし、お分かりのように、名刺交換に終わり、その後の関係を発展させるだけの時間がありません。

これでは、イベントで会っただけの人から仕事はもらうことができるのでしょうか。あるビジネスマンは「常にネットワーキングをして知り合いを増やそうとしているのに、結局ビジネスには何も進展していない」と私に言ったことがあります。

確かに、新しい人に会うことはネットワーキングの重要な部分ですが、さらに重要なのは、そもそもなぜネットワーキングをするのかということを認識することです。つまり、ネットワーキングは、ビジネスマン同士としてお互いに親交関係を構築し、時間をかけて信頼関係を深め、その結果、いずれは互いに有益な結果をもたらし、継続的にリファーラル(紹介)を行うことになるのです。

初めて誰かに会うときは、まず、その人と今後どのような関係を築いていくのかを考えてください。ネットワーキングイベントに参加する人は、とかく会話を商談につなげたい衝動にとらわれがちですが、この段階では、営業を第一目標にしてはいけません。

ネットワーキングイベントでは知人を増やすことが大切です。ある友人の父親は「友人に売り込みは不要だ」と言ったことがあります。これは、新しく知り合いになった人と会話する場合の的確なアドバイスと言えるでしょう。

しかし、このことは、ネットワーキングをしている間、会った人に対して営業をする機会がないということではありません。

営業はできます。ただし、アプローチを変える必要があります。ネットワーキングは商談をすることでもなければ、何百人という人と名刺交換することではないのです。ネットワーキングとは、将来の商談につながる関係を築くことです。このことを念頭にネットワーキングを行えば、ビジネスへと進展するでしょう。

会う人にあなたのことを印象付けるには(相手のビジネスについて引き出す)良い質問をすること

イベントではみんなが同じようなことをしている中、どのように印象付ければいいのかとよく質問されます。これに対して私は人と違ったことをして、相手に印象付けると良いと答えるようにしています。

つまり、人と違うことをするベストな方法とは、会ったばかりの人に良い質問をして、その人の答えを真剣に聞くことです。
(「良い質問」とは、質問された相手が自分のことを話し、相手のビジネスを理解することができるような質問のことです。相手を将来のクライアントになるかどうかの値踏みをするための機会としてとらえてはいけません。)

いい質問は会話を弾ませるだけではく、自分が会話をリードしなければならないというプレッシャーを取り除きます。新しい人に会うことはとても勇気のいることであって、自分がパーティーの主役のように振舞わなければならない気持ちになります。

他の人との差別化

このような質の高いネットワーキングアプローチを用いる別の理由は、競合相手と自分を差別化できるからです。特に、住宅ローンブローカー、不動産業者、保険代理店、公認会計士、ファイナンシャルプランナーなど競争の激しい業界のビジネスマンにとっては非常に効果的です。こういった業界からネットワーキングイベントに参加している人たちが必ずいます。

あなたがプロフェッショナルとしてネットワーキングを実践し、相手を今後のリファーラルパートナーとして対応すれば、何がなんでも大勢の人に会おうとしている競争相手を完全に打ち負かすことができるでしょう。

それはなぜでしょう?それは、あなたがネットワーキングで会った人に、後日連絡をした場合に、(その人に)あなたの印象が残っているため、またあなたと会ってくれるからです。これこそが次の営業につながるステップになります。
これらのことを念頭に、次回のネットワーキングイベントで営業につながるステップ(方法)を具体的に考えてみましょう。

1. ネットワーキングイベントでは一回のイベントで会う人の数を限定して、コネクションの質に重点をおきます。

つまり、どのようなコネクションを相手と行うのか、相手のビジネスにどれだけ関心があるか、また相手のビジネスと自分のビジネスとの関連性、今築いているコネクションの質やコネクションを築いている相手の人柄がどれだけ良いものであるか、などを念頭におきます。通常のネットワーキングイベントでは、5人から10人ぐらいとしか意味のある会話はできません。数は少ないと思うかもしれませんが、「この人だ(この人でなかったらだめだ)」思うような人と話しをするのであれば、これぐらいの人数で十分です。(こういった理由のためにネットワーキングの戦略を立てておくことが重要なのです。)たとえば、1週間に2回イベントに参加するとすると、1か月では10回のイベントに参加することになります。つまり、1カ月で30人から50人も人との新しく知り合うことができます(つまりコネクションができます)。それを数カ月続け、それと同時に、会った人にそれぞれフォローアップをしておけば、もう忙しいほどに質の高いコネクションができます。

2. 新しく会った人とはそれぞれ5分から10分間、話をしたり、話を聞いたりしてください。

1,001人の人と名刺交換をしないからといって、1人の人と20分間話す必要はありません。ほんの数分間、話しをしてその人と知り合いになればいいのです。忘れずに名刺交換をしてください。そして、後日フォローアップをしてください。ここが一番の重労働ですが、この段階ではまだ今後の営業の準備をしているにすぎない、ということを覚えておいてください。

3. 名刺をいただいたら、裏にメモ書きをします。

これは、イベントで相手がどのようなことを話したかを覚えておくために便利だけでなく、次の人に会おうと急いでいるのではないという印象を相手に与えます。名刺の表には、相手と会ったイベントの日付やイベント名を書き込みます。名刺の裏には、会話の内容や気がついたことを書きとめておくと良いでしょう。これにより、後日、その相手に再度連絡したときに、これを見ながら会話を進めることができます。

このようないくつかのシンプルな『与える者は与えられる』 アプローチを実践することで、ネットワーキングを実践している間にもビジネスが活性化され、さらに多くのリファーラルが寄せられるでしょう。