ネットワーキング・キャンペーンがビジネスにもたらす効果とは?
信頼できる紹介者による推薦は、広告以上に事業者の支えとなります。ビジネス・ネットワーキング・キャンペーンの最も優れている点は、キャンペーンの成功に必要なコストが、従来の広告キャンペーンに比べ、わずかで済むという点です。
一方で、よく言われるように、本当に無料(タダ)のものなど存在しません。金銭面で得をした部分は、時間と努力によって埋め合わせる必要があります。ただ「ネットワークをする」と宣言するだけでは、すぐに成功に結び付く保証はありません。ネットワーキング・イベントや、人と出会うことができる活動に参加する際には、単にスケジュールを実行に移すだけでは不十分です。大切なのは信頼を構築することです。
信頼を築くにあたって最も重要なことは、自分自身の倫理基準を高く保つことです。適正な価格設定を行い、依頼された仕事は最高の品質で提供するようにします。決して、後で顧客の期待を裏切るようなことをしてはいけません。
これに加え、ネットワーキング・キャンペーンを成功させる秘訣は、信頼を向上させるための武器となるアイテムを取りそろえておくことです。ネットワーキングの機会を最大限に活用するには、いつでもこれらのアイテムを利用できるようにしておく必要があります。
以下は、ネットワーキングの助けになるアイテムのチェックリストです。そのうちいくつかは、すでに用意してあるかもしれません。相手に期待どおりのイメージをもってもらうために、これらのアイテムを活用してください。注意点を踏まえたうえで、ネットワーキング・キャンペーンを成功させるためのアイテムを取りそろえておきましょう。
■ネットワーキング・キャンペーンを成功させるためのアイテム■
注意点1:マーケティングに必要なアイテムがすべてリストされているわけではありません。リストは、対面でのネットワーキングに特化しています。
注意点2:幅広い種類のアイテムがリストされています。すべてのアイテムが、見込み客あるいは顧客を紹介してくれる人に出会った瞬間から、すぐに使えるというわけではありません。自分のビジネスについて相手に伝えたい情報のうち、各アイテムはそれぞれ特定の種類の情報に特化したものになっています。
初期段階で信頼を構築するために利用できるアイテムもありますが、より詳細な情報を含むアイテムについては、もっと後の段階で、特定のクライアントや紹介者に対して使う方が良いでしょう。リストの前半には、早い段階で必要になりそうなアイテムが載っています。後半には、より相手との関係が深まってから必要になるアイテムが載っています。
1. チラシ(1ページにまとめられたもの)
相手に渡せるように、自分のビジネスの概要を短くまとめたものを常に用意しておきましょう。ファックス用に印刷したものと、メール用のデータとを両方用意しておきます。こうすることで、ネットワーキングで出会った相手が、自分の知っている見込み客にすぐに情報を転送することができるからです。
2. Q&Aシート
ネットワーキング・イベントで最も簡単にお互いのビジネスを知るコツは、初対面の状況をできるだけ計画的なものに変えることです。お互いが質問し合うのに利用できるQ&Aシートを用意しておくことで、お互いのビジネスに関する重要な情報、つまり、リファーラルに直結する情報を聞き逃さずに済みます。
3. 満足してくれた顧客の声
顧客の声は、自分の提供する製品やサービスの質を示すには最も効果的な方法です。バインダーに印刷したものをとじておくのもよいですし、ウエブサイトに掲載する方法もあります。LinkedInのプロフィールがある場合は、自分の顧客に依頼して、自分を「recommend」(推薦)してもらうのもよいでしょう。
4. 自分の写真、設備や機材の写真、製品の写真
宣伝の際やソーシャルメディアのプロフィールに載せるためには、プロに撮影してもらった写真(顔写真)が重要になります。また、オフィスや作業現場を撮影した写真あるいは製品の写真を用意することで、ビジネスの内容を明らかにすることができ、信頼の獲得につながります。
5. 最新のパンフレット、チラシ、データを記載した資料、製品カタログ
これらの資料を用意することは一見当たり前のことに思われますが、実際には経営に手一杯で資料の作成をないがしろにしている事業者も少なくありません。
6. 「ブランド」を反映するアイテム
ブランドの一貫性と認知度を向上させるには、実際に使用しているロゴ、商標 、図柄、デザインのほか、見本市で使用したポスターやのぼり、展示品などのアイテムが効果を発揮します。
7. 主要顧客の一覧
ウエブサイトに掲載することで、どのようなタイプの顧客を得意としているのかを示すことができます。
8. 加入している団体や組織、提携先のリスト
初対面の相手に対してはこれが役に立ちます。共通の知り合いや提携先がないかを知るには極めて有効な方法です。自分が紹介してもらいたい団体や組織の人に紹介してもらう足がかりになるかもしれません。
9. 自分や会社のスタッフが受賞した賞状や認定証の写真
信頼を得るという点においては、これらのアイテムは顧客の声と同じくらいの効果があります。
10. 自分が書いた記事、または、自分が取り上げられた記事
記事を書いたり、記事の中で自分の仕事を取り上げられたりすることは、その道のプロとしての知名度を上げるのには、極めて有効な方法です。顧客としても、自分がプロとビジネスをしているのかどうかには関心があるはずです。
11. 新しい製品やサービスの案内、プレスリリース
ネットワークの際には、見込み客や、見込み客を紹介してくれそうな人が、あなたの会社の最新情報を即座に入手できるようにしておく必要があります。これらの資料は単にニュースとしてリリースするだけではなく、商談の際に配布したり、ウエブサイトやソーシャルメディアに掲載したりすることもできます。
12. 自分のビジネスを説明するためのアイテム
これには、アニュアル・レポート、事業案内、目論見書のほか、企業の理念や使命、誓い、さらには企業史を記したものも含まれます。
13. 見積書、入札書、または、既存の顧客宛てに作成したマーケティング・レター
ネットワーキング・イベントで出会った見込み客と一歩進んだ話をするチャンスがあった場合、これらの情報を頭に入れておくと役に立ちます。
14. ターゲットの市場に影響を与えている動向に関する記事
相手にとって重要な出来事やニュースに後れを取らないようにしておくことで、より効果的に会話の方向性を定め、見込み客を自分の製品やサービスへと導くことができます。
これらのアイテムは、大きめの箱や棚に保管しておいて、頻繁に使う書類は簡単に取り出せるようにしておきましょう。ネットワーキング・キャンペーンで役立つアイテムを取りそろえ、必要なときに迅速に対応できるようにしておきましょう。